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百代之過客

平行線

古陶磁の研究会なるものに誘われ訪ねた。

ある作品に注目が集まった。

これまで類例のない新発見だという。
これに"物言い"が付いた。
その者の言い分は、
これまで此の様な陶片が窯跡から発掘された例はないという。
釉薬も土アジも陶片とは異なるという。

肯定する者は、
伝世された設えと風情、土アジや造形にも疑問はないという。
類例はないが歴史的にも生まれるべくして造られた品だと引かない。
 
互いの意見は平行線のまま時は過ぎ、お開きとなった。

箱におさまる光景を眺めつつ
輩のささやきが耳にのこった。

焼成は窯の幸、同じ素材でも異なるのは当然である。
まして古人の眼にかない取り上げられ伝世した品と
失敗作として打ち棄てられ土中した物では比較にならない。
前例がなくとも発掘されていない可能性があり、否定理由にはならない。

単なる空想論を認めるわけにはいかない。
むしろ箱や経年変化など状況よりも物的証拠でしょう...

 
いや、それよりも...。


 


by kenkodaifuku | 2017-12-23 06:32
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